アメリカンドライブ<デンバーからロス>6
<ボルダーからモアブ>
準備を整えて、三千代さんの家に行った。ボルダーは全米の中でも優良な住宅地であり、入居制限があるようだ。二人の家はウッドデッキ付きの素敵なアメリカ住宅だった。しかし、二人は私達のドライブがかなり心配らしく、何か起きたときの連絡のとり方や注意事項をしっかり教えてくれた。昨日のオフロードと夕立で汚れた車を洗車して準備を整えるとウエード氏がやってきて、工具の場所、スペアタイヤの取り出し方などチェックを受けた。さすがである。昼のお弁当のバックをお土産にいただき、カーナビの調整をしていよいよ出発である。まず近所のスタンドでガソリンの入れ方から教わり、T君の希望でロッキィーズのグッズと私の希望でパールストリート(メインストリートの中の公園)の見学をお願いして三千代さんと別れた。
いよいよ叔父さんたちのアメリカンドライブが始まった。今日はM氏の運転である。ナビは左折してデンバーの方へ行かせたっがているが、地図では真直ぐだ。遠くにデンバーの街並が見える。私達の運転ではあの街中には入りたくない。うるせい!カーナビ。と叫びながら南に進んだ。そのうちナビが進行方向を指し始め、少し心強くなった。まもなく、I70(国道)の看板が出始めて、ちょと緊張した。ゲートは?料金はどうするのだろう。しまった、聞いておくのを忘れた。と、思ったらロス方面右折と書いてある。曲がったらゲートも料金所もなにもない。M氏は一瞬たじろいたが、うまく高速に乗ってしまった。片側3車線の真直ぐロッキー山脈に向かう立派な道路だ。そうか、アメリカの高速道路は料金所が無いんだ。無料なんだ!素晴らしい。予算に入れていた高速代金が浮いてしまった。ばんざい!
緊張感が解けたところで、尿意をもようした。しかし、行けども行けどもサービスステーションが無い。そうか、無いのだ。アメリカでは好きなところで降りればよいのだ。よく見ると高速道路近くに町の無い降り口でもスタンドはある。つぎの町が近くに見える降り口で降りよう。降りた町は小さい町であった。車を路地に置いて、カフェテラスのような場所を探したが、レストランか、スタンドバーしかない。街角に公園があって、きれいな公衆トイレがあった。木陰でおみあげにいただいたバックからおにぎりを取り出し昼食にした、ほっとしたひと時であった。昼のお礼と現在地を三千代さんに報告すると、この調子なら今日はユタ州のモアブまで行けるかもしれない、もう少し確実になったらモアブのモーテルに予約してくれることになった。暗くなってホテルを探すのはつらい。
I70は快適でロッキー山脈を上手に走り抜け、だんだん険しくなってきた。この辺りになると素敵な別荘があちこちの山際に建ている。この山の南にはスキーのメッカと言われる有名なアスペンがあるのだ。休憩でひとつの町に降りてみると。思いのほか素敵な町であり、共同駐車場の下のスタンドのお兄さんにコーヒーはと聞くと、コーラはいらないのかと言う顔をして、橋の向こうに美味しい珈琲店があると教えてくれた。木の橋を渡ると橋のたもとにスタンドがあり、これで飲むのかと思うような紙コップの向こうでサイズはと聞かれてもちろんSですと叫んだ。川原に下りての珈琲タイムは至福のひと時でした。8mぐらいの川幅で、あのロキィーNPの分水嶺から育ちさらにグランドキャニオンと変貌するコロラド川と考えると感無量になった。
さらに進むとよくぞここに高速道路を造ったと思うような赤い岩の長い切通しを抜けしばらく行くと、やっとロキィー山脈は越えたなと思う山裾の町グレンウッドスプリングスで降りた。立派なホテルがあり、名をホテルコロラドという。その昔アルカポネがやってきて、西部の親分衆と会合したホテルである。禁酒時代に、彼はウイスキーが飲みたいと注文し、町中走り回って、どこかから用意したボーイに感激し、彼が大学卒業するまでの面倒を見たと言う。このホテルにはアメリカでは珍しい大きな温泉プールもあり、その上と、さらにコロラド川の対岸まで続く歩道橋が架かっていた。三千代さんに連絡すると、ウエード氏がモアブのモーテルを予約してくれたとのことだ。
カーナビをモアブにセットして進もう。州境の町グランドジャンクションまで100ml。しかし、ガソリンは半分をきった。どこかで給油しようと、フルッタで降りた。スタンドに着くと三千代さんに教えられたとうりに給油しようとしたが、システムが違うらしくうまく行かなかった。英語ができない三人は、スタンドのおじさんと交渉するのを嫌って、半分弱あるからモアブまで行くことにして、先に進んだ。ウエード氏にI70からモアブにはいるときは、コロラド川添いの道がきれいだ。と教えられていたので、214分岐点で降りて左折した。カーナビは直進だった。どこかでちょとしたサインの見落としたようで、、進んでいる道は目指す128号線でない。いくら走っても目標物は何も無い。カーナビは戻れと叫んでいる。見渡す限りの砂漠で、遠くに資材置き場のような家が見えるだけである。ガソリンゲージは半分を過ぎるととても早くなる。あと1/4だ。砂漠で迷ったかな?7時半、さすがに太陽も傾き始めた。緊張はしたが、誰もそれを口に出さない。とその時、カーナビは、進行方向を指し始めた。意見は一致した。ナビのいうとうり進もう。しばらく、不安な気持ちで進むと、懐かしいI70に並行して走っていた線路が見えた。これでI70に戻れる、砂漠に野宿しないですんだ。さらに、I70を進み、ブレンデルで州道191号線に入る。さすがに立派なスタンドがあってうまくカードで買えた。
191号線は真直ぐで黄昏の中を安堵しながら進んだ。そして、私達は、グランドサークル(グランドキャニオンを含める大国立公園群)の中に入り始めた。右手にキャニオンランスNP、左にはアーチーズNPがあるはずである。モアブに入った時はもう9時で日は落ちていた。予約してもらたモーテル「デーズイン」はすぐに分かった。さそく荷物を降ろして食料調達に出た。しかし、もうスーパーは閉まっており、レストランを探した。困った時はイタリアンレストラン、探したレストランは雑貨店の奥だったが、満席で、待つ間に、カウンターバーでビールとウィスキーを頼んだ。水がほしかったのでウオターをいろんな発音で頼んだが通じなかった。ためしにアクアーといたらアグアーと水が出た。そうか、もうここらではスペイン語なんだ。向こうからは何を言ってるか分からないが、ひたすらイタリア語で勝手に注文した。ほぼ看板までいたが、今日はものすごく長い1日だった。
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