どうなる設計基準 1
<序 : 性善説から性悪説へ>
構造計算書偽造問題を受けて、構造の問題だけでなく建築界全体の設計基準が大きく変わっています。簡単にいえば性善説から性悪説に変わりました。
確かに世の中の流れは性善説では規定できないような複雑な要素が多く、悪意を持ってこのルールをもてあそんだらそれはひとたまりもありません。
私たち建築士は自分に対しても、外に対しても、限られた中でひたすら美しいもの経済的なものを作るのだという性善説的なイメージの中でしか働いてこなかった。だから悪意を持って逸脱することなどまったく想定していない。このような時代だから、起こるべくして起こったことかもしれないが、あの姉歯元建築士は確かに建築界のパンドラの箱を開けてしまったのです。
この箱の意味するものは大きく、行政側は建築の中にあらゆる悪意の入り込む余地を、確認申請と検査でチェックする、という形で潰さなければならないことになった。しかも、緊急に対応ししなければならないということで、今年の6月20日に改正建築基準法が施行された。
厳しい基本方針は提示されたが、内容はあまりにも膨大で、まだまだ実務との多くのすり合わせが必要であり、その後、数回に分けて細則が提示されるらしい。しかし、この影響は建築界にとってはきわめて大きく、現に、この情報を察知して、6月の改定前に滑り込みで確認を提出した物件がかなり多く、現状の都市近郊のビルラッシュの多くはその影響のようだ。当然反動はあり、その後の確認申請は今までの形では受け付けてもらえないから、来年の春からの物件はかなり少なくなることが予想される。
当然の事だが、私たち設計業界の混乱はもっと大きく、最終的にどのような形で定着するか分からないが、構造だけでなく意匠や設備も含め、少なくとも性悪説に基ずくチェックに対応するために膨大な作業と知識が必要になる。どのような影響が出るのかをしばらくこのブログを通して考えてみよう。