2009年2月9日

どうなる設計基準 3

Filed under: 社長ブログ,設計 — boss @ 9:09 AM

<前面道路奮戦記>

今回は耐震や、新しい設計基準の話ではないが、最近かなり役所の対応が怪しい、先日、某区役所と前面道路について争った経過を報告します。

ディベロパーから小規模のマンションの設計依頼があった。役所との事前の打ち合わせでは特に問題はなかった。しかし、事前公開版を出すとすぐ役所からクレームが来た。

敷地は大通りから20mぐらい入った道に接する敷地で、さらに5m程先はあまり広くない裏通りに面している。問題はこの道が、大通りに面する幅員が4.5mくらいで裏通り側が6mぐらいの斜めの道であった。建築基準法で前面道路というのは道路斜線や容積の算定に重大な影響を与え、特に今回のように商業地区だと少しの幅員の差がすぐ20%ぐらい容積が変わってしまい、事業の存亡に関わることになる。

前面道路の位置を接道義務から考える緩和の措置で広い方から2mという考えもあるが、条件を厳しく考え敷地に接している道路の中心で申請した。しかし、役所から容積に関しての前面道路は大通り側の入り口と敷地に接する反対側までの中心で考えよ。と指導された。しかし、この指導を受け入れると容積が10%ほど減ってしまい、その根拠も不明確であり当然納得できません。

第1回目の質問状を指導課に持ち込んだ。 1.この条件はこの場所だけの特例ですか。 2.大通りの入口に対応する位置は裏通りの出口であって、条件の違う中心を測定するのは理論的に無理でないか。又それに応じて計算すると前面道路幅員が敷地に接していない位置になってしまう。これでは前面道路とは言えないのでないか。 3.この方法で容積率を算定すると一つの敷地で道路斜線や天空率を算定する前面道路と、敷地に接してない別の前面道路が存在してしまう。これでは基準法上に問題が生じないか。

この質問に対し、3枚の解説本の抜粋に赤線を引いたものを根拠とし、社会性や環境を考え、前面道路は大通りの入口側とする。と、前回よりかなり厳しい指導がきた。それでは容積率が20%も減ることを意味し、事業が成立しなくなり、地権者の財産権に関わることになる。

もちろん第2回目の質問状を提出した。1.役所は根拠として提出した文書の中で相当区間の意味を拡大解釈して社会性や環境を持ち込んでいるけれど、その文書に、「かつ」以下、接道義務がついて状況を限定し、わざわざそのように拡大解釈をしないように書いてある。 2.もう一つ提示された例でも、「自分の敷地のみが広がっている場合は」と主語で限定しているにもかかわらず、赤線でその主語を外して、広がってないのが明らかなのにも関わらず、これに相当すると主張しているのはどうしてか。

これらの質問に対し、役所は文章としてはそう読めるかもしれないが、社会性や環境を考え、たとえ20m程離れていてもここを前面道路とする。第1回目の3も含めて基準法には矛盾はしない。との主張でした。

このような主張では、理論も何も有りません。どこかの捕鯨反対団体とおなじで、社会性や環境と叫べばもはや法律も日本語も関係ないないようです。仕方が無いので近隣の実例を調べあげた。案の定どのビルもそんな規定に従って設計されている物件はありません。その実例を持って第3回目の質問状を提出した。やはり実例は何よりも強く、その日の夕方にやっと無事、私達の主張が認められた。ほぼ1ヶ月間の不毛な戦いが終わり、ただ無駄な時間と労力だけが流れたことになった。

2007年12月28日

学園のモニュメントの設計

Filed under: 設計 — boss @ 4:24 PM

今年の最後の仕事として県内の学園のモニュメントの設計が無事完了しました。

gakuen.JPG

昨年この仕事の依頼があった時、ちょっと興奮した。卒業生の寄付金で集めたお金で、70周年記念事業として学園の理念がシンボルになるようなモニュメントを創ってほしい、との依頼であった。私達はこれこそ設計者としての実力を問われる仕事だ。制限の無い自由な造形を心行くまで推考でき、まさに設計冥利に尽きる条件として受け止めた。

事務所内でかなり力が入り、たくさんの提案があった。しかしなかなか1つの方向性が見つからなく、第1回目の打ち合わせは結局2つの案を提出することになった。1案は形而学的というか、幾何学的な案を模型で提示した。もう1案はむしろ造形的な案でCGで提案した。いずれも好評であり、わが社の信頼感を得るには充分な提案であったが、理念の表現として一致を見るまでにいたらなかった。

幸いなことに、この学園には第三教育と呼ばれる明確な理念があった。始めの頃、私達はこのことが良く理解できていなかった。何案か提出しながら打ち合わせを重ねるうちに、学園側に何かイメージのようなものがあると分かった。何度目かの提案のあと、美術の先生からFの字を上下に重ねた断面の柱なかに丸棒を組み合わせたような不思議な模型を見せられ、「これが第三教育の理念です。外側は第1の家庭の教育、反対側は第2の教師の教育、真中は第3で自ら進んで学ぶ教育である。」と説明された。

たしかにそれは建築物としては問題のある案だが、その形は依頼者がどのような教育を目指しているかを明確に語っていた。 この時、私達は不覚にも、依頼者である卒業生や学園の総意ではなく、自分のオリジナルを、別の言い方をすれば自分の作品を創ろうとしていたことに気づかされた。もちろん次の打ち合わせにはその理念に即した形を提案した。それからは肩の力が抜けたように学園との話もうまく進み、どんどん写真のような形になった。完成したモニュメントは私達の造形的な気持ちとしては不満の部分もあるが、集団の求める形の方向性と力強さは間違いでないと思う。また、落成レセプションで皆に感謝されたことにとても満足している。

2007年10月12日

どうなる設計基準 2

Filed under: ,社長ブログ — boss @ 11:47 AM

<改正建築基準法の内容>

あの構造計算書偽造事件により、建築主事などの行政側の審査能力が著しく不足していることが証明され、いやむしろ現在のコンピューター時代に対応していない実態が露呈した。そこで新しい改正法では構造設計の専門知識のある判定員を外部に求め第三者機関による構造計算適合性判定を義務づけることになった。

一定規模以上の建築物は、今までの審査機関とは別に構造の専門家によるピアチェック(2重チェック)を義務づけることになった。つまり構造設計の際に生じるミスを第三者の視点でチェックすることがねらいだ。このシステムを導入することで確認審査は二つのルートで行はれる。そして、申請者は確認申請をする機関を選ぶことはできるが適合性判定を行う機関を選ぶことはできない。一つの考え方をまったく別の角度から見直すシステムだ。

そこで行政は都道府県の知事などが指定する構造計算適合性判定機関を早急に全国に立ち上げねばならないことになった。ピアチェックとして新たに別ルートで審査する日本建築センターや日本建築総合研究所など広域に展開する機関が全国的に順次できる見通しだそうだ。もちろん短期間には対応できるはずがない。しかし、改正建築基準法は今年の6月20日にすでに施行されてしまった。そんなわけで、行政は早急にというより今すぐ、建築構造を総合的に判断できる人材の確保とその認定が必要であり、また、その判定員の全国的なレベルの統一も必要だ。

方針はともあれ、実際の設計業務では、大変な混乱をきたしており、今の段階では確定できない事項も多く、確認申請が大幅に遅れたり、受け付けられていない。このことは、建設業界はもちろん経済界にも多大な影響を及ぼし、大きな社会問題になりつつある。

性悪説に立つ改正建築基準法のリスクは審査する側はもちろんだが、それ以上に我々設計者が多く負うことになる。もちろん建物の安全を確保するための事であるが、審査機関というか行政の責任回避のために膨大な書類を提出し、ピアチェックを受ける部分も少なくない。それは設計内容に関係ないことで、新たな設計事務経費を多くを発生させることになる。我々設計者はそのことを依頼者である施主に理解を求めねばならない立場にたたされることになった。

2007年9月21日

どうなる設計基準 1

Filed under: 社長ブログ — boss @ 5:14 PM

<序 : 性善説から性悪説へ> 

 構造計算書偽造問題を受けて、構造の問題だけでなく建築界全体の設計基準が大きく変わっています。簡単にいえば性善説から性悪説に変わりました。

 確かに世の中の流れは性善説では規定できないような複雑な要素が多く、悪意を持ってこのルールをもてあそんだらそれはひとたまりもありません。

 私たち建築士は自分に対しても、外に対しても、限られた中でひたすら美しいもの経済的なものを作るのだという性善説的なイメージの中でしか働いてこなかった。だから悪意を持って逸脱することなどまったく想定していない。このような時代だから、起こるべくして起こったことかもしれないが、あの姉歯元建築士は確かに建築界のパンドラの箱を開けてしまったのです。

 この箱の意味するものは大きく、行政側は建築の中にあらゆる悪意の入り込む余地を、確認申請と検査でチェックする、という形で潰さなければならないことになった。しかも、緊急に対応ししなければならないということで、今年の6月20日に改正建築基準法が施行された。

 厳しい基本方針は提示されたが、内容はあまりにも膨大で、まだまだ実務との多くのすり合わせが必要であり、その後、数回に分けて細則が提示されるらしい。しかし、この影響は建築界にとってはきわめて大きく、現に、この情報を察知して、6月の改定前に滑り込みで確認を提出した物件がかなり多く、現状の都市近郊のビルラッシュの多くはその影響のようだ。当然反動はあり、その後の確認申請は今までの形では受け付けてもらえないから、来年の春からの物件はかなり少なくなることが予想される。

 当然の事だが、私たち設計業界の混乱はもっと大きく、最終的にどのような形で定着するか分からないが、構造だけでなく意匠や設備も含め、少なくとも性悪説に基ずくチェックに対応するために膨大な作業と知識が必要になる。どのような影響が出るのかをしばらくこのブログを通して考えてみよう。

2007年8月27日

CGによるプレゼンテーション

Filed under: 設計 — admin @ 2:48 PM

毎回打合せ時にはプレゼンテーションにCGを使用しています。
平面図で敷地との取り合い、部屋の間取りなどをプレゼンし、
CGにより、全体のイメージと内部空間のイメージを伝えます。
当社ではSketchup Proというソフトを使用しています。
平面図をJW-CADで作り、そのままSketchupに持って行くことで簡単に3Dにすることが出来ます。

名前の通りスケッチ風のこんな画像や

素材を貼り付けることも出来ます。

もうすこし、リアルに表現するためにSuPodiumと言うソフトを使うと↓のようなことも出来ます。

最近このサイトでも御世話になっているGoogleがSketchUpを買収しGoogleSketchUpというソフトを無償で公開しています。ただし、商用利用出来ないことや、多少機能制限があります。
GoogleSketchUp英語版
初心者でも四角を書いて立ち上げることなど非常に簡単です。

2007年3月29日

N邸 吹き抜け

Filed under: 設計 — admin @ 4:38 PM

2階のメインはギャラリーになっています。回廊を通って工房へ入ります。ベランダからの光が入り大変明るい家です。

2007年3月28日

N邸 居間から台所

Filed under: 設計 — admin @ 1:49 PM

居間から台所を写した画像。台所には開口があり、吹き抜けでもある居間を覗けます。2階ギャラリーの床は根太レスという床材で厚さ30mmの床材と天井材が一体になった材料を使用しています。この材料を使うことによって1階の天井は高く取れるし部屋に一体感が生まれます。歩いた感じも厚みがある分かなりしっかりした感じでした。

2007年3月16日

N邸 玄関

Filed under: 設計 — admin @ 4:35 PM

この住宅は夫婦二人暮らしで仕事場(工房)と絵画や作品を展示するギャラリーを併設しています。玄関を入ってすぐに階段があります。1階が居間で吹き抜けになっており、2階のギャラリーと一体となっています。一見冬場は寒そうですが、1階の床暖と南面に開口があり暖かいです。

2007年3月13日

N邸 外観

Filed under: 設計 — admin @ 5:27 PM

敷地は線路と道路に囲まれた場所であり、南に面して電車が通る場所。

N邸 エントランス

Filed under: 設計 — admin @ 3:13 PM


個人住宅
一戸建て木造軸組工法

敷地面積:151.27㎡
建築面積: 65.41㎡
延床面積:109.92㎡

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